一つの大いなる存在があった。
一つの大いなる力は、その子供である一人の神を創った。
その神と共に創られた一つの惑星。
それが、この伝説の舞台である。
神は自らの子である神を、次々と創った。
生まれて間もない惑星は、神々によって次第に美しい惑星になった。
その創られた神々の中に、双子の神がいた。
相反するものを持った二人の神。
男と女。
破壊と創造。
闇と光。
その双子の神は、互いを激しく求め合った。
相反する存在である為、二人が結ばれる事は無い。
それでも、二人は互いを求めた。
対立し、争い合いながらも、心では二人共互いを想っていた。
その二人が造り出した世界。
二人の神は、それぞれから二つの聖なる獣を自らの分身とした。
破壊を司る男神は、火の神である朱雀。風の神である青龍。
創造を司る女神は、水の神である玄武。地の神である白虎。
それらは四神と呼ばれ、四神は二人の神が創った世界に放たれた。
陸を創り、海を創り、大気を創り、生物を創った。
二人の神が四神に創らせた一つの大陸。
それは「叶(カナイ)」と呼ばれた。
いつか、二人が人間となれる日が来るのなら、そこに降りたい。
そして、二人はそこで出逢い、恋をする事を夢見た。
時が経ち、神々の時代は終わり、彼らの子である人間達の世となった。
その頃には、人間に一番近い存在である四神も姿を消していた。
だが、四神は人間の心に生き続け、そこに存在した。
人間は四神のそれぞれを敬い、四つの部族に分かれて生きた。
そして、それぞれの土地を聖地とし、その中心となる都に四神の名を付けた。
四つの聖都市の名は朱雀、白虎、青龍、玄武。
そして、その聖都市には四神の化身とされる石碑があった。
それを、一人の巫女と一人の神子(みこ)が守った。
その二人を護る者達は、自らを『守護の民』と呼んだ。
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